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糸満ちゅら水会    

湧水がしみだす古いカーや井戸、小川などをたずね歩き、その名と歴史をふりかえり、身近な地域に残された水源の<いま>に目を向けます

カーの周辺のごみ拾い、来歴や現状の調査、必要に応じて専門機関への水質分析依頼などを行います

極少人数で、ゆる〜く活動します

あなたの近所のカーや水源にも、興味をもっていただけたらうれしいです

​祖先が大切に守ったこの水源を、どうか未来の子どもたちに引き継いでゆけますように

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​糸満市阿波根

​イリンカー(ウフカー)

​とても立派なカーですが、県道82号線開通後、高架橋の真下になってしまい、その存在を知る人は少ないかもしれません。暗がりで人通りもなく、不法投棄されたごみが散乱していることに心が痛みます。阿波根民俗誌で来歴を調べると、阿波根本部落の西に位置することからイリンカーと呼ばれ、ムラガー(村の共同井戸)として大切にされてきたと記されていました。正月の若水や出産時の汚れものを洗ったり、死者を清める水としても汲まれ、今も拝みの対象とされているそうです。集落からカーへ下りる坂道には、雑草が覆いかぶさってはいますが、草をよけると琉球石灰岩の古い石畳道が保存されています。きっと上水道開設前は、毎日のようにこの道を人が行き交い、水汲みや水浴びに訪れる人々でにぎやかだった往時がしのばれます。

暗く見えにくいですが、石積みからしみだす水は透明で、こんこんと流れ出しています。住宅や道路開発などの土木工事によって水脈を絶たれ、枯れてしまうカーが多いですが、このカーは枯れていません。だれの目にもふれず、ひっそりと水を生み出しつづけてくれている姿に、胸が切なくなりませんか。<2025年12月>

​糸満市阿波根

​ウィーガーラ

県道82号の阿波根橋から真下を見下ろすと、背筋がヒヤッとするほど深い谷に、美しい小川が流れています。川は大樹の間を蛇行しながら、阿波根グスク東側のフチヤマとよばれる崖地帯のふもとを通って、南西方向へ。フチヤマの崖葬墓から東南側の谷へおりると、川の上に小さな石橋が架かっていて、橋に立つと川岸を見渡せます。不法投棄されたごみが気になりますが、そのたたずまいから、昔はきっと美しい川だったにちがいありません。この川の名を知りたくて、ずっと調べていたのですが、図書館の阿波根民俗誌を紐解くと、ウィーガーラという名前であることが分かりました。ウィーガーラの下流域は、戦前は田んぼが多く、稲やイグサが作られていたそうです。大雨がふると洪水となり、田んぼが水に浸かることもあったそう。近くにはカシラーグムイと呼ばれる大きな淀み(よどみ)があり、子どもたちの素敵な水遊び場だったそうですよ。糸満の西の海が埋め立てられてしまう前、すぐそこはサンゴ礁の広大な浅瀬が広がる海でした。ウィーガーラはイノーへとそそぎ、真水と海水が出逢う、生命のゆりかごを形成していたにちがいありません。<2025年12月>

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​糸満市阿波根

​ヒージャーガー

頂上に阿波根グスク跡がある山を、ウグァン山といいます。県道82号が、阿波根本部落とウグァン山を分断してしまったため、部落とウグァン山をつなぐ橋を架けたのでしょう。阿波根本部落から御神橋(ウグァン橋)を渡ってウグァン山へ行き、海が見える西側まで歩くと、トゥヌの前の広場に小さな階段がみつかります。草をかきわけながら階段を降りてゆくと、水神の碑の横に、琉球石灰岩の石積み囲いのカーが表れます。残念ながら、カーは落ち葉に埋もれ、何度訪れても水はほとんどなく…

落ち葉の下のほうが、やや湿っている程度で、このカーも、どうやら枯れてしまっているようです。

阿波根民俗誌によると、かつては子どもたちがミジガサー(水疱瘡)やイリガサー(麻疹)にかかると、このカーの水でミジナディー(水撫で)をして、熱や発疹が治まるのを見守ったそうです。今もウマチーでムラが拝み、1月2日のミジナディー(水撫で)には各門中の人々が参拝するそうですよ。<2025年12月>

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2026年1月20日のイリンカー.jpg

​糸満市阿波根

​イリンカーとカラムシ(苧麻)

あたたかい陽気にさそわれ、イリンカーへ行ってきました

周辺のごみひろいをして、カーの周りがだんだんきれいになってゆくのを、やっぱりうれしく思ってしまう

 

​カーから集落へ登る古い石畳のまわりに、ふと、一種類の美しい草が群生しているのをみつけました

みなれない草…?

日当たりのよい一体

早春の陽ざしを浴び、どんどん若葉を茂らせ繁茂してます​

すぐ写メとって、とりあえずネットで調べると

<カラムシ>とでました

自宅へ戻り、「沖縄の身近な植物図鑑」(林将之、名嘉初美著、ボーダーインク)で調べると

カラムシ

別名 チョマ(苧麻)

繊維が強い、木のような草

本州以南に自生または帰化

強い繊維は布や紙に利用可能で昔は栽培された

<帰化>というコトバに強く興味をそそられ、さらに調べると

カラムシの原産地には諸説あるが、茎の皮から織物の材料を採取するため、古い時代に中国から渡来し、栽培されていたものが野生化した、との説が根強い

葉や茎をちぎると、和紙のような丈夫で長い繊維を生じる

​カラムシの繊維で作った良質な織物は、「苧麻布(ちょまふ」と呼ばれるが、越後上布、能登上布、薩摩上布などがあり、福島県ではからむし織として現代も大切に伝承されている

とのこと

どうやら江戸時代に綿が使われる前、日本で広く生地の原料として使われていたようです

沖縄でも、カラムシは宮古上布や八重山上布など、古くから手作りされてきた布の原料であることがわかりました

宮古や八重山では、今もカラムシを栽培し、丁寧に糸を紡ぎ、上布を手作りしているそうです

宮古上布といえば今や上布の最高級品

私が大切にしている宮古上布、古布から作られたものですが、頭にぐるっとターバン風に巻いて使う小さな布(=写真)なのに、いくらしたと思います?​

あー、言っていいかな…

32000円もしたんですよ(←泣き笑い)

 

でも、お洒落で丈夫

5年も前に購入した古布なのに、まったくよれない!

カラムシのおかげだったんですね

古いカーの周りに生い茂るカラムシ

遠い昔にこの地に住んでいた人々は、この草を栽培し、糸を作り、生地や着物をこしらえていたかもしれない

その名残が、野生化したカラムシの群生地としてこの地に残されていることに、とてもわくわくしました

後日、再びイリンカーをたずねると、一頭のヤギがこの場所にたたずんでいました

​どうやらカラムシを食んでいたようで、やわらかい若草の部分だけかじられていました

​家畜の飼料としても用いられていたようですね

最後に、薬効について

「南の島のハーブ」(嵩西洋子著、南山舎)によると、「葉を煎じたものは利尿に、根茎を砕いたものは腫物に用いる」とあり

その他、調べた結果は以下のとおり

葉には解熱剤、利尿剤、止血剤としての作用があり、流産を防ぎ、膿の排出を促進する

創傷の治療

根にはフラボノイドのルチンが含まれる

抗生物質として抗菌剤、冷却剤

出血に伴う症状の緩和、貧血予防

咳止め、水虫、細胞活性化など

体質改善に必要な栄養素を豊かにふくむ

まさにスーパーフードであることが判明!

古い時代から人々が生活していた集落をたずねると、カラムシが自生しているのを見つけやすいかもしれません

 

あなたも探してみてくださいね

                 ​<2026年1月>​

©2021 by Yoga Therapy 月ヨガテラス。Wix.com で作成されました。

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