​カップルセラピーstory

上原拓未さん、中垣内雄大さん(浦添市在住)

​カップルセラピーを受け始めて3ヵ月め

ヨガセラピーの効果を肌で感じ、「生活や心のあり方が変わった」というお2人が今回、インタビューに応じてくれました。

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ヨガセラピーとの出会い

 拓未さんと雄大さんは、福祉や医療分野で依存症の方の支援に取り組む中で、「自分たちがやるしかない」と起業を決意し、2020年夏、依存症支援に特化した合同会社「レジリエンスラボ」を立ち上げた行動派。障害福祉サービスのグループホーム開設、カウンセリングや依存症回復プログラムの提供、家族教室、自助グループの開催など、さまざまな事業を運営し、多忙な日々を送っています。プライベートでも恋人で同居する2人は、事業開始から半年、お互いの得意分野を生かしながら協力しあって無我夢中で頑張ってきました。

 2021年4月、セラピストと出会ったときの拓未さんは、依存症支援への熱い情熱が感じられましたが、上辺の鎧(よろい)を下ろすと、心身ともに疲れ果て、今にも倒れそうな、途方に暮れた彼女の素顔が表れました。相棒の雄大さんが2月、うつ病の悪化で実家へ帰省して療養中だったので、拓未さんは、一人重圧に耐えて業務をこなしているところでした。

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ヨガセラピーでセルフケアが上手になり、​カウンセラーとして、生き生きと活動する拓未さん

セラピーを始めた当初、眠ってばかりいた拓未さん

 体験セラピーを受ける前、体調を聴いたところ、「疲れているのに、身体を休めることができないんです。眠れなくて、身体が勝手に動いてしまう感じ。夜中にコンビニへ行ったり、うろうろしたり。実はこの3日間、ほとんど寝ていないんです」と拓未さん。

 身体の凝りや痛みなど、具体的な感覚の訴えはあまり出てきませんでした。

 自律神経が交感神経優位の頑張りモードに入ったまま、脳と身体が過覚醒・過緊張で休息できない<過剰適応>、疲れや痛みを感じることができない<失体感>が見立てられたので、まずは緊張をゆるめ、深くリラックスし、脳と身体の休息を目標とするセラピーを組み立てました。

 始めて5分後、拓未さんの動きが鈍くなり、私の声かけに反応しなくなったのも束の間、あっという間に寝落ちしてしまいました。

 実は、現代人のほとんどは過緊張状態です。セラピーで眠りに落ちる方は少なくないのですが、5分で眠ったのは拓未さんが初めてでした。そのまま1時間以上、彼女はマットの上で安らかな寝息を立てて熟睡していました。

セラピストから一言

 脳の慢性疲労が感じられたので、そのまま起こさず、お休みしていただきました。

 その後もセラピーのたびに寝落ちが続き、「家では全然寝れないのに-、不思議-!」と拓未さんは明るく笑っていましたが、彼女が自分を置き去りにしたまま生命を削りながら必死で頑張ってきたことを想うと、心が痛みました。

 月2〜3回ペースでセラピーを継続し、緊張緩和とリラクゼーションに特化したプログラムを受ける中で、セラピー中に眠る時間が短くなり、6月はセラピーを最後まで受けられるようになり、少しづつ、活気を取り戻していきました。

  無意識に頑張って自分を酷使してしまう癖がある拓未さん。ヨガでブレーキをかけてバランスをとり、自分を大切にする時間を持つよう、常に声かけを続けています。

ヨガをして、疲れている自分に気づけるようになった

 「昔から、頭をずっと忙しく働かせ、いつも動いていないと気がすまない多動タイプでした。自分で休むことができなかったんです。疲れや痛みとか、そういう感覚にも乏しくて。私自身の特性だと思います」。

 「何事もやり過ぎて、後からどっと疲れが出る生きづらさがあって、困っていました。けれど、ヨガでかなり軽減されて、自分を大切にすることが分かってきて、助かっています」と拓未さん。

 真面目で頑張り屋の拓未さんは、毎朝・毎晩、自宅でもヨガをしているそう。

 「寝る前にヨガをすると、それまで全く疲れを感じていなかったのに、身体がゆるんで急にぐったりするから、ああ、休んだ方がいいんだなってわかるんです」「夜中起きちゃって眠れないってことがけっこうあったけど、ヨガをすると寝落ちできるから、めちゃ助かってるー!」と笑顔で語ってくれました。

 

スマホと距離を置き、情報を遮断する大切さ

 拓未さんは疲れたとき、スマホを見たり、YouTubeを見て過ごしていましたが、それが脳を疲れさせる要因になっていると思われたので、1日のうちに一定の時間を決めて、スマホから距離を置くようアドバイスしました。情報過剰社会の現代、氾濫する情報の波を意識的に遮断することは大切なことです。

 それから1ヵ月、「疲れたときにダラダラとスマホ見てたけど、余計疲れるってことが分かりました。今までは、余計疲れるって感覚が分からなかったのですが、ヨガで身体の感覚が分かるようになってきたんです。今は、スマホを見ない時間を作っています」と話してくれました。

 

カウンセラーとして思うこと 「ヨガセラピーは身体的カウンセリング」

 拓未さんは、合同会社レジリエンスラボの代表を務めながら、公認心理士として依存症やそのご家族のカウンセリングも行っています。

 心理士の立場から、ヨガセラピーについて感じたことを語ってくれました。

 「カウンセリングは、言語面接でクライアントさんの悩みを聞き、もやもやしていた感情を言語化し、解決へ導きます。私も言語化が得意なので、言語を通して問題を深く考え、言語で対策を立ててきました。それはそれでとても大切なことだと思いますが、生きづらさを抱えている方々に特有の、身体の疲れや緊張は、言語ではとれません。そういう意味で、ヨガセラピーは、身体的カウンセリングだと思いました」。

これからの支援のあり方  〜カウンセリングで言語化 + ヨガで身体的アプローチ で心身統合へ〜

 「依存症、精神疾患、発達障害、診断を受けるまではいかないグレーゾーンの方々など、生きづらさを抱えている方への支援のあり方として、<カウンセリングで言語化>と<ヨガで身体的アプローチ>ができたら、心身統合されて回復に有効だと思います」と拓未さん。

 また、心理士だけでなく、医師、看護師、ソーシャルワーカーなどの対人援助職について、「人を支援する職業の人は、自分のことを置き去りにしがちで、燃え尽きてしまうことがあります。支援者にこそ、セルフケアとしてヨガセラピーを勧めていきたい」。

セラピストから一言

 セラピスト自身、精神科や心理治療領域での経験を踏まえ、薬物療法や言語面接のみによる支援には限界を感じていました。ヨガセラピーの身体的アプロ―チと、薬物療法や言語面接との連携こそ、クライアントさんの回復やエンパワメントに望ましいと感じます。また、対人援助職の方々の燃え尽きを防ぐためにも、セルフケアとしてのヨガセラピーの必要性を改めて感じました。今後、レジリエンスラボと月ヨガテラスのコラボレーションができたらいいですね。

​カップルセラピーで2人の関係性にも変化が…

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 セラピーがスタートして約1ヵ月後、実家から戻った相棒の雄大さんも一緒にセラピーを受けることになりました。雄大さんはうつ病の回復期でしたが、薬物療法だけに頼りたくない気持ちが強く、ヨガで自分を変えていきたいという決意が感じられました。

 2人は志を同じくする仲間でしたが、仕事も私生活も一緒、会社運営の重圧から、言い合いになってしまうこともあったようです。当初は2人とも、不安感や焦燥感に苛まされているのを肌で感じました。

 せっかく2人そろってセラピーに来たのに、車中で大ゲンカして、雄大さんだけ帰ってしまい、拓未さんが顔中涙で濡らして現れたこともあります(雄大さんはその後、戻ってきてくれました(*^^*)。

 

一緒にヨガセラピーを受けることで、お互いに相手への理解が深まり、思いやることができるようになったそうです

 ヨガセラピーでは、心理検査(性格検査や不安検査、ストレス耐性検査など)、アーユルヴェーダの体質チェック等をしながら、身体の状態、心理的状態について、それぞれの特性や課題を見立て、セラピープログラムを作ります。

 雄大さんは、数年前から独学でマインドフルネス瞑想に取り組んできた経験もあり、すぐに瞑想をしたい気持ちもあったようですが、雄大さんの身体的緊張が非常に強いこと、疲れや痛み等の感覚にあまり気づけていないこと、いつも苦しそうな表情で、心理的にも自分自身を追い込んでしまう焦燥感が強いことから、いきなり瞑想は時期尚早と判断し、呼吸法とアーサナ中心のセラピーから入りました。

 2人は自宅で毎日、一緒にヨガに取り組んでくれました。カップルセラピーのいいところは、自宅でも一緒にセルフケアに取り組めるところです。

 雄大さんは最初、「なんでこんなにだるいんだろう」「ヨガをすると眠くなるんですけど」と首をかしげていましたが、過緊張で疲れすら感じられなかった身体がゆるんできて、本来感じられる自分の体感感覚が戻ってきていることを説明すると、納得してくれました。

 目標-結果主義の男性的な生き方の癖から、雄大さんも当初は、結果への期待や焦りがありましたが、<善きことはカタツムリの速度で進む>というインドのガンジー元首相の名言を伝え、積極的に頑張るという姿勢ではなく、ゆったりと受け身に委ねる姿勢で一歩ずつ進みましょうと提案したところ、賛同してくれました。

 

「カップルセラピーで、2人の関係性の調整もしてもらえた」

 カップルセラピーで2人の関係性に変化が見え始めました。

 「第三者(セラピスト)が入ってきたことで、これまでとは別の視点でパートナーを見れるようになりました。セラピストの意見を聞いて、相手について自分は意外と知らない部分が多いんだ、と気づいたんです。自分には言わないことをパートナーがセラピストに話すのを聴いて、「こんなこと考えてたんだ」とびっくりしたり。ヨガセラピーを通して、パートナーへの理解が深まり、関係性の改善に繋がりました」と拓未さん。

 2人は正面からぶつかることはなくなり、互いを思いやり、より深く理解しようとするようになってきたようです。

 

​男性とヨガセラピー

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 男性としてセラピーを受け、感じたことを雄大さんに語ってもらいました。

 「自分は瞑想をずっと学んできたけれど、ヨガセラピーは一言でいうと、非常に良かったです。瞑想は集中力が途切れたら難しいけれど、ヨガセラピーは、瞑想と違って動きがあります。呼吸と肉体の感覚に意識を向けるので、とてもやりやすいと思います。今は自宅で、瞑想ではなくヨガを中心に取り組んでいます」。

 「僕が困っていることは、普段から常にだるい、やる気が出ないことです。今までなら、そこで無理をしがちだったのですが、ヨガで自分自身に意識を向けると、<何もしていなくても緊張している>、そんな自分に気づくことが出来ました。緊張している自分に意識を向けると、ストッパーになれます。最近は、自分で自分を緩める感じが身についてきました」。

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​「男は内面を見るのが苦手。イライラして家族に当たったりすることも多い。

男性もヨガで自分の内面のバランスをとったほうがいい」と語る雄大さん

勝負の世界で緊張を強いられる男性にこそ、ヨガがおススメ

 「日本は・・・男はけっこう緊張を強いられています。女性も大変かもしれませんが・・・男も大変。職場で結果を出さないといけない、弱みを出しちゃいけない、<勝たなきゃいけない性>ですよね」。

 「男は勝負の世界をひたすら乗り切らなければならないけど、自分の内面を見るのが苦手だから、イライラして、家庭で家族に当たったりすることが多いんでしょうね」。

 「僕はヨガセラピーに出会って、ああ、自分は疲れてたんだな、と気づくことができたので、他の男性にもヨガをお勧めしたいです。男もヨガをしながら、自分の内面を見てバランスをとっていけば、仕事も家庭もうまくいくんじゃないでしょうか」

 

セラピストから一言

 出会った当初は、焦燥感に満ちた苦しそうな表情が印象的だった雄大さん。今は別人のように瞳が柔らかくなり、声音もやさしく、穏やかになってきました。セラピストは、これが本来の雄大さんに近い姿と感じ、自分らしさが出てきている彼の変化を、とても好ましく感じています。