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  • 執筆者の写真おかもと まきこ

犬と人とオキシトシン


今年も ゆずの命日が過ぎていきました


未熟な母親だった私が

なんとか子育ての荒波を乗り越えられたのは

ゆずのおかげ


夕方、大忙しで家事に追われてるときに限って

子どもがぐずって大泣き

もちろんかまってあげる余裕なんてない

そんなとき ゆずは

息子の体を無言でぺろぺろ

<ゆずなんかいい! あっちいけ!!>

と息子に怒鳴られようが

いっこうにかまわず

息子の心が落ちつくまで ずっとそばにいた


家族のだれかが元気なかったり

しょんぼりしていると

すぐに近よって見つめてくる

人の気持ちを感じる力が不思議なぐらいある子だった

遠慮がちにひざをぺろぺろ…手をぺろぺろ

なぐさめてくれた


沖縄は今、学校がコロナで休校に

急だったから、働く親は大変

子どもだけの留守番はとても心配

我が家の息子たちはもう成人だけど

昔、どうしても子どもだけで留守番させなきゃいけないときも

ゆずがいるから安心だった


長男が小学2年のとき

誕生日プレゼントにもらってきた雑種犬

捨て犬を預かる愛犬家のボランティアさんから

大切にいただいてきた


長男は約束通り

雨の日も雪の日も欠かさず毎日散歩をした

2人は大の仲良し


その長男が県外の大学へ行くことになり

3年前の3月、沖縄を旅立った

受験のストレスが強かった長男を

いつもそばでなぐさめ、元気づけてくれたゆず


1ヵ月後、ゴールデンウィークに長男が帰省した翌日

急に具合が悪くなって

病院へ連れていったら 末期の肺がんだった

あんなに元気だったのに

医師は「病巣は広がってたけど、頑張って適応していたんでしょう」


長男は帰省中どこにも出かけず 

ゆずのそばを離れられなかった


そして5日後 長男が大学へ戻る日の前日

静かに息を引き取った

最後の瞬間まで 家族みんなを見回して

元気だよ、心配しないで、と一生懸命しっぽをふって

生命力の限りを尽くして、生き切った


これが受験の真っただ中だったら

長男は受験を乗り越えられなかっただろう

沖縄を旅立つ直前だったら

きっと心が折れただろう


ゆずは最悪のタイミングを避けて

長男の旅立ちを見届けて

安心して旅立った


私の人生のロールモデルは

ゆずです

やさしい子とは知っていたけれど

あんな強さがあるなんて

生命の限り、家族への思いやりと愛にあふれ

自分の痛みとたたかいながら

周りを気づかっていた


ゆずには 言葉で言い尽くせない感謝の気持ちだけ

そしてあの<強さ>をみならいたい


犬はなぜこれほどに人を癒すのか

最新の科学で明らかになりつつあります

犬と飼い主が見つめあったとき

オキシトシンが分泌されるそうです

人だけではなく 犬のほうにも


オキシトシンには人の心を癒したり

身体の痛みを和らげたりする働きがあります

親子、家族、友だち同士

人と人が繋がり、絆を深めるとき

オキシトシンが働く

ヨガセラピーの効果にもオキシトシンが関わってる


種を超えてオキシトシンを分泌しあうのは

人と犬に特有なことだそうです

オキシトシンを介して

人と犬は絆を深めることができる

大学病院などでセラピー犬が導入されていますが

患者さんの苦痛を和らげる効果はとても大きいそうです


人間の弱さをみて

犬をあたえてくれた神さまに

心から感謝です

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