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  • 執筆者の写真おかもと まきこ

セラピストとは

更新日:2021年7月7日



ヨガセラピーをすると

<オキシトシン>というホルモンの分泌が促進されて、

痛みや炎症の緩和効果があることをご存知ですか?


先週、クライアントのKさん(50代女性)から、

その効果を裏づけるような驚きのメッセージが届きました。


彼女は2年前、50歳の時にクローン病(自己免疫疾患)を発症し、

2週間の入院後、定期的な点滴治療を受けながら生活しています。

今年4月からオンラインで週1回、プライベート・ヨガセラピーを始めました。

当初、慢性的な疲労感、わき腹の鈍痛、下痢と便秘の繰り返しに悩んでいたKさん。

自分の疲れやストレスに気づきにくく、完璧主義で仕事を頑張り過ぎてしまう傾向があり、仕事を休むことに罪悪感を抱いていました。

Kさんと話し合いながら、呼吸法とアーサナで緊張を解き、まずは自分の身体の感覚に気づいていくこと、そして自分で自分を緩めてリラックスする方法を身につけること、体調が悪いときは仕事を休んで休養をとること、休むことに罪悪感を覚えないように自分の心に深く向き合っていくことを、セラピーの目標としました。

そして4ヵ月め。


「主治医からメールがあって、先週の検査結果が出て、腸の炎症反応が寛解状態に達していたんです」と明るい声で知らせてくれました。

クローン病とは、炎症性腸疾患のひとつで、小腸や大腸などの消化管に原因不明の炎症が起き、びらんや潰瘍ができる国指定の難病。自分の免疫が自分の身体を攻撃する自己免疫疾患で、腹痛、下痢、血便、発熱などの症状を繰り返し、治癒が難しいと言われます。

腸の細胞を傷つけてしまう炎症反応が寛解になったと聞き、私はオキシトシンの抗炎症効果をすぐに思い出しました。

今年5月の日本ヨーガ療法学会全国大会(Web開催)では、「ポリヴェーガル(多重迷走神経)理論」で有名なポージャス博士と、オキシトシンと社会的行動との関係を発見したカーター博士、偉大な科学者である両夫妻がダブル講演し、ヨガセラピーによってオキシトシンの分泌が促進され、自律神経が調整されることで、心の平安、疼痛の緩和、抗炎症効果などが期待できるとの報告がありました。


 Kさんの変化が始まったのは、セラピーを始めて2ヵ月頃。

 フルタイムの仕事がきつく、週末はベッドで横になることが多かったのですが、6月頃から、週末に家族と出かけたり、家事を楽しむ余裕がでてきました。

 「以前なら、調子がいいからと活動すると、リバウンドで一気に消耗したのですが、今はリバウンドがありません。エネルギーレベルで活力が上がっている気がします。夫と息子も私の変化に驚いています」

ヨガが習慣化し、仕事へ向き合う態度も変わり、行動が変容したKさん。

「朝起きたとき、心がざわざわしてやる気が出ないことに気づいたので、毎朝、ベッドで呼吸法やヨガをしています。そうすると1日、前向きに動けるようになるんです」「疲れがたまってきたから、明日は仕事、お休みをとりました」などと明るい表情で語るようになりました。セラピー後はいつも、目の輝きが増し、表情が柔らかくなります。

 そして今回、炎症が寛解しているという医師からの知らせ。

 Kさん自身が感じたことを語ってもらいました。

「ヨガセラピーをするまで、自分の身体の感覚が分からなくて、身体や内臓が傷ついているという感じも分かりませんでした。今は、ゆっくり呼吸法をして身体を動かしながら、時間をかけて自分で自分をいたわってあげる力が、身についてきている気がします」

「クローン病は治癒がない、ずっと続く病気と言われます。下痢をすると絶望的な気持ちになったり…落ち込むことが多かったのですが、ヨガをすると、細胞レベルで癒されていくような気がして、希望を持てます」

「最近は、一日を通して、生活に向き合う態度全般が変わったような気がします。一つ一つ丁寧に、無理をせずに自分をいたわりながら生きられるようになっています。クローン病があっても怖くない。そう思えるようになりました」


セラピストから一言

 Kさんの回復の原動力は、ヨガセラピーで<心のあり方>が変わったことです。自分を置き去りにしたまま頑張り過ぎる人生を送ってきたKさんは、ヨガセラピーと出会い、自分を大切にする感覚を身につけました。自己存在の根底に生じた心理的な変化が、エネルギーレベルの活力の向上、そして細胞レベルの変化に繋がったのではないでしょうか。Kさんは自分で自分を癒しつつあるのです。

 ヨガセラピーに前向きに取り組むクライアントさんたちは、自分の課題の解決へ向けてほとんどの方が前進していきますが、Kさんの回復が著しいのは、Kさんの<信じる力>、<素直さ>、そして自宅でもヨガに取り組む<意思力・行動力>が大きいと思います。



 それから一週間後、Kさんから次のような報告がありました。

 「20年間服用してきた抗うつ剤をやめてみようと思います。実は2週間前から、半量に減らしたのですが、大丈夫、精神的に安定しています。この調子で数週間様子を見て、完全にやめられることをめざしたいです」。

 力強く語るKさんの表情から、<自分の病気は自分で癒していく>という前向きな希望と強い意思を感じ、心から嬉しく思いました。


セラピストは、クライアントさんの運命を変化させることはしません。


セラピストとは、クライアントさんのそばで寄り添いながら勇気づけ、クライアントさん自身が自分の運命に立ち向かうのを助ける存在なのです。


※Kさんのセラピーstoryは、ホームページにも掲載しております。

※写真はイメージです。

※セラピーStoryは、クライアント様のご了解を得て紹介しています。


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