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  • 執筆者の写真おかもと まきこ

心の波 〜月ヨガだより№9


心の波にのみこまれた経験

誰にでもあると思います。


イライラして家族に八つ当たりしたり

感情が爆発して、ひどい言葉を口にしてしまったり

不安や恐怖から抜け出せなくなったり


もう感情に流されたくない

ぐるぐる思考を止めたい

いつも焦っている心をリセットしたい

自分で自分を制御したい


そんな気持ちを抱いた方は

心という魔物を制御するスタートラインに立った

ということ。


心の波(はたらき)のことを

ヨガではヴリッティと呼び

心という湖面に思考や感情がさざ波を起こし

そのさざ波と自分を同一視することこそが

苦しみの源だと捉えます。


「心の波が少なくなれば

知覚されるもの

知覚する過程

知覚する者

いずれであろうと

まるで汚れのない水晶のように

目を向けたいかなる対象も

心は正しく映しているように見える

この状態を同一性と呼ぶ」

     ヨーガ・スートラ 1章41節


この経句の意味するところは


人間の心がいかに

目の前の事象を歪めて受け取っているか

過去の経験に色づけされて物事を解釈し

過去を現在に投影し

色眼鏡で現実を見ているか

現実をありのままに知覚することがいかに難しいか


ということ。


この経句を初めて読んだときの衝撃は

忘れられません。

精神科治療領域で働き

心理学を学んできましたが

数千年前の書物が

ここまで人間の心を深く分析していることに

新鮮な驚きがありました。


心の波が止滅したとき

心が水晶のように澄みきったとき

初めて私たちは

対象をあるがままに知覚することができる

とされます。


この<対象>とは、外界のものだけではありません。

自分自身をも含みます。


自己認識

自己イメージ

わたしが自分という存在をどのように捉えているか

わたしの本当の望みは?


心の波が常に揺れ続け

水晶がにごっている状態では

<本当の自分>が見えません。

本当の自分の小さな声も聴きとれません。


思考や感情の波に乱された偽りの自分を

自分自身と思い込み

自分に枷(カセ)や檻(オリ)をはめ

偽りの思い込みで人生を走り続けてしまう


長い人生

そんな時もあるでしょう。

それもまた

新しい境地へ進むための

かけがえのない学びかもしれません。


ヨガセラピーを受けたい

と決意していらっしゃる方々は

意識的にせよ、無意識にせよ

「心身を制御したい」

「自分を変えたい」

という強い意思をお持ちです。


仕事や人間関係、生き方そのものに対して

深い迷いを抱えながら

遠くを見すえて心の波に立ち向かおうとする勇気


そして

心を安らかに静めてから

この先の自分の人生について深く考えたい

という落ちつき


クライアントさんたちの真摯さに

私の心は深く揺さぶられます。


呼吸法、アーサナ、瞑想によって

心の波を少しづつ静めて

水晶のような心で

人生の新しいステージに立てるように。


クライアントさんが自分自身で人生に立ち向かうのを

温かく寄り添って助ける存在でありたい

セラピストとして、そんな風に思います。


最後まで読んでくださり

心から感謝します。


画像の絵は、大ファンの画家、梅宮順子さんの絵を購入して使わせていただいております。いつも素敵な作品をありがとうございます。

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