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  • 執筆者の写真おかもと まきこ

ヨガセラピーとオキシトシン


 ヨガセラピーが深まると、

 緊張の緩和

 無心さ、静けさ、満足する心

 すべてを受け入れる心、自己受容感

 自他一体感、慈愛

 こんな意識状態に、近づいていきます。

 そこまでたどりつけなくても、セラピーの前後で、だれもが、柔らかく穏やかな表情に変わります。

 最新の科学で、<オキシトシン>というホルモンの分泌が、ヨガセラピーによって促進されていることが分かってきました。

 <科学的でありながら科学を超える>ヨガの魅力が、今最も注目されている2人の科学者によって語られたので、紹介させてください。  日本ヨーガ療法学会沖縄大会が4月から1ヵ月間、オンライン開催されました。その目玉が「ポリヴェーガル(多重迷走神経)理論」で有名なステファン・W・ポージャス博士と、その妻で、オキシトシンと社会的行動との関係を発見したC・スー・カーター博士、偉大な科学者であるご夫婦のダブル講演。  奇跡と愛のホルモンと言われるオキシトシンについて、講演内容から紹介します。  オキシトシンは、人類進化の過程で約1億年前頃に生まれてきた、新しいホルモンだそうです。安心感、社会的絆を感じさせ、人と人をポジティブに結び付け、社会全体を結合させている奇跡のホルモン。

 これに対し、オキシトシンの兄妹ホルモンのバソプレッシンは、2億5千万年前頃に出現した古いホルモンで、敵からの攻撃を防御する原初的生体反応を促し、孤独感、縄張り意識、過覚醒、過剰な動きを誘発します。  人間は、爬虫類から哺乳類に進化する過程で、孤独や防御、攻撃性という原初的な戦略から、繋がりや安心という社会的絆を築く戦略へと歩み、その社会的行動の鍵がオキシトシンにあるというのです。  絆、癒しと回復のオキシトシンか、孤独と分断、攻撃性のバソプレッシンか。

 私たちの身体の中でどちらが優位になるか決め手になるのが、「安全・安心を感じているか」「恐怖を感じているか」という感覚で、その感覚を育む<環境>の影響が大きいとのこと。  慢性的な恐怖状態に置かれた体験のある方(PTSD)の場合、恐怖が身体に埋め込まれ、バソプレッシンが優位となって、自律神経が緊張・過覚醒の傾向がみられるそうですが、愛情深く温かな安心できる環境で、社会的相互作用を受けることで、自律神経を再調整していけるという希望が語られました。  「親密さこそ、PTSD回復のカギである」というポージャス博士の発言が印象的でした。  妻のスー博士は「愛がトラウマを克服する方法であることを、科学で理解できるのです」「この知識は人類にとって力です。未来に希望があり、変革のチャンスです」という力強い言葉で講演を締めくくりました。  2人の博士は、ヨガセラピーがオキシトシンの分泌を促し、自律神経を再調整し、癒しと回復に繋がる力があることを、科学的に説明してくださいました。  そして、スー博士は最後に、一枚の美しい夜明けの水平線の写真を見せながら、「水瓶座の時代を迎えた最初の夜明け」と語りました。地の時代から風の時代へ。最先端の科学を研究する博士から、風の時代の到来が語られるのを聴き、共感と希望で心が満たされるのを感じました。  素晴らしい講演をして下さった両博士、このような講演を企画して下さった学会の皆さまに心から感謝申し上げます。  

 写真は我が家の愛犬、ゆず。3年前に亡くなったのですが、オキシトシン満点の素直で優しい子でした。犬と人間は、種を超えてオキシトシンの分泌を介して支え合えるそうですね!

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