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執筆者の写真おかもと まきこ

祈りとヨガ


祈りはパワフルな<行い>です


声高に叫んだり

人目に立つ行動をとることだけが

すべてではありません


ヨガは宗教ではありませんが

信仰心<シュラッダー>を大切にします


太陽礼拝も祈り


祈りは意志ある行い、

カルマ(行)であり、プンニャ(徳)


清浄、知足、苦行、自己の探究、至高の存在への祈念が勧戒である

    ヨーガ・スートラ 2章32節


あなたが

自然界の見えない力を信頼し

あらゆる生命の幸せと調和を願って

一心に祈るとき

その輝くエネルギーは宇宙をかけめぐります


個人の思いと宇宙、人類の集合意識とのつながりは


精神科医で心理学者のユングが提唱した

<集合的無意識>において

民族や国、地域を超えて

人類共通の普遍的無意識が存在することが

指摘されました


ヒマラヤのヨガ行者による大著<魂の科学>でも

個人の心素(チッタ)と

集合的無意識ともいえる宇宙心素とのつながりが

わかりやすく解説されていますので

興味のある方は

ぜひ読み進んでみてください


心素(チッタ)とは

ヨガ哲学で<記憶袋>ともよばれ

私たちが自覚していない無意識の潜在記憶もふくめた

ぼう大な記憶の倉庫

あらゆる行いを生み出す種の貯蔵庫です


…………………………


(個人の)内的心理器官の各々は

いついかなる時でも未来永劫にわたって

肉眼では視えぬ精妙な光の流れを介して

宇宙心素と直接のつながりを持っています


この光流が

宇宙空間にある行(サムスカーラ、潜在印象)の貯蔵庫である

宇宙心素から流れ出て

各個人の心素にまで達してきている


貯蔵庫から出た行(潜在印象)のうち

機の熟したものは個人の心素内にとどまり

記憶の力によって現実の行動となって

表れてきます


激しい一陣の風が

燃え続けている炭の上にたまった灰を吹き飛ばし

再び炭をあかあかと燃え上がらせるように

宇宙心素から絶えず流れ降りてくる数々の行(潜在印象)も

個人の心素内に眠っている行を目覚めさせます

〜<魂の科学より>


…………………………


いま

ヨガにかかわる人の多くが

また、すべての生命の平安を願う心ある人々が

祈りの瞑想をしているのを感じます


ネイティブ・アメリカンの言葉にみられるように


最初の平和は

人の魂のなかにこそ、生まれる


ヨガ哲学もこの原点に立ちます


ヨガとは他人を変えようとするのではなく

自分の心<意識>に精神集中していきます

変えられるのは

自分の意識だけだからです


一人の魂に生まれた平安が

2人の人間の間に広がり

さらに2つの部族、組織、国家間へと

拡がっていく循環


善悪二元論にとどまって

<善>か<悪>かを決めつけて

相手を一方的に批難し続ける限り

争いは激しさをましてしまいます


二極の対立を超えて

ひとりひとりの魂の平安を切に願う心


その祈りのエネルギーが宇宙心素へと届き

さらに宇宙心素から個人の心素へと

降り注いでいく光をイメージしながら


静かな瞑想のときを過ごしてみませんか



…………………………


一番重要な、最初の平和は

人の魂のなかに生まれる


人間が

宇宙やそのすべての力とのあいだに

つながりや一体感を見いだせたとき

その平和が生まれるのだ



宇宙の中心には

ワカンタンカ(グレートスピリット)が住まい

しかもこの中心はいたるところにあって

それはわしらひとりひとりの内部にもある

と理解したときにな


これこそが真実の平和なのだ

ほかの平和はすべて

この真実の平和の似姿にすぎん


二番目の平和というのは

2人の人間のあいだに生まれる


そして三番目の平和が

2つの部族間にあらわれる


しかし

わしがしばしば言うように

人の魂のなかに生まれるものこそが

真実の平和なのだから

その平和をまず知っておかない限り

部族間の平和など

とうてい実現せぬ

ということを

なによりも理解しなくてはならん


 ブラック・エルク

     オガララ・ラコタ族

  〜ネイティブ・アメリカン


◇参考文献

<それでもあなたの道を行け>

ジョセフ・ブルチャック編、めるくまーる発行

<魂の科学>

スワミ・ヨーゲシヴァラナンダ著、木村慧心訳

たま出版

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