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執筆者の写真おかもと まきこ

月ヨガだより №33


いま、何に一番困っていますか?

と問いかけると


<ばくぜんとした不安>

と答える方が

とても多いです


この不安の正体って何でしょうか?


感染症の時代

繰り返される争いや衝突

資源の奪い合い

終わりのない競争…


創造→維持→破壊→再生

という宇宙サイクルから見ると

時代はいま

明らかに<変化>を迎えています


すなわち破壊から再生へと向かう

新しい時代

そんな時代の節目にあって

人類の進化とヨガという

古くて新しいテーマをあなたへ


正体不明の不安を作り出す<心の暴走>に

のみこまれないように

しっかりと前を見すえて荒波を乗りこえ

心安らかに

凛々しく生き抜いていくために


…………………………


◇うまくいかなかったらどうしよう?

 〜未来


◇あんなこと言わなければよかった

 〜過去


◇どんな風に思われただろう…

 〜他者の心の内


考えたくないのに次々に湧いてくるグルグル思考

その内容は、だいたいこの3つ


心が<今、この瞬間>を離れて

未来、過去、他者の心の内へ引きずられたとき

それは邪念となって

心的エネルギーを消耗させます


思考とセットで湧いてくる

不安、焦り、落胆、疑い、恐れなどの

否定的な感情もやっかいですね


普通の人間で自動的に生じる思考は

1日に6万回以上

その大半がネガティブな想念と言われています


まさに、<心の暴走>

あなたはどんな風に対処していますか?


筋肉の場合

動かそうと思って動かし

休めようと思ったら静止できるのに

心は勝手におしゃべりを続けて

宿主を苦しめます


人類は進化の過程で脳を巨大化させ

地球上で他の生物を支配する地位を得ましたが

いま、この発達した脳のはたらきが

人を苦しめ、余計な衝突を生み

さまざまな病気や争いなどの不調和を

生み出しています


恐竜は

進化の過程で体を巨大化させすぎて

地球環境の変化に適応できませんでしたが

残念ながら人類も

脳の巨大化によるデメリットのほうが

最近は目立つような気がしますね


人類の進化にたちはだかる

<心の暴走>に歯止めをかけて

もっと調和的に進化していけるように

古代人が生み出した智慧が、ヨガなのです


◇余計な想念(邪念)を静めたい

◇必要なときに集中して思考を使いたい

◇感情の波をコントロールしたい

◇心安らかに穏やかに過ごしたい


こんなふうに感じているあなた

ヨガセラピーで心の暴走にブレーキをかけてみませんか?


数千年前より古代インドで引き継がれてきた

ヨーガ・スートラ

バガヴァッド・ギーターには

暴れ馬のような心という魔物の特徴について

科学的・哲学的に分析・解説されています


心という難敵をコントロールするには

まず敵を知ることが大切ですよね


月ヨガテラスのヨガセラピーは

こうした経典のメソッドにもとづく瞑想的運動療法です

呼吸を通して心のはたらきを静めて

呼吸を通して脳・心・肉体のつながりを回復し

呼吸を通して脳・心・肉体をあるがままに観察し

自分の全体性に気づきながら受容し

最終的には自己制御できるように

自由と安らぎに満ちた境地を味わえるように

しなやかで豊かな精神力をめざしてゆきます


…………………………


太古の昔

人は必要な時のみ考えて

その他の時には<止滅の心(ニローダ・チッタ)>で

自然界のリズムに自我を溶かし

至福と安らぎとともに生きていました


時を経て

物質主義や富の蓄積が進むと

人は自然から離れ

常に何かを考えている<一点集中の心(エーカーグラ・チッタ)>へと

変化しました


さらに時代が進むと

大多数の人は集中力を失って

<散漫な心(ヴィクシプタ・チッタ)>へと変化

つねに混乱し、揺れる心に悩まされる状態です


そして現代社会にあって

人は自分の肉体、富、外見、家族のことだけで頭がいっぱい

気まぐれに移り変わりゆく物質的な現象に引きずられ

心は虚栄心や利己心で占められるようになりました

この状態を<惑わされた心(ムーダ・チッタ)>

というそうです


現代にあってヨガや瞑想に取り組もうと思う人は

<散漫な心>の持ち主といわれます


ヨガや瞑想は散漫な心を<一点集中の心>へと磨き

やがて自然界と調和した<止滅の心>へと導いてくれます


残念ながら

<惑わされた心>の持ち主は

物質以外のことに関心を示さないため

ヨガに出会うこともないと言われますが…


そんな方は

物質界でまず欲望のままに生きて

一定の体験を積んで

さまざまな感情を味わう必要があるそうです


そして一定の経験を経たあとに

物質界の背後にあるものを知りたいと

心から求める段階が来たとき

ベストなタイミングで出逢い訪れます


最後に、ばくぜんとした不安について…

たしかに今

物質次元では厳しい時代といえますが

人類の精神性がより高みへと進化し

利己心や狭い自我意識から脱して

地球上のあらゆる生命と調和しながら

超精神の領域へと進化してゆくプロセスととらえると


さまざまな困難も

産みの前の苦しみのように思えて

新しい時代の幕開けのようにわくわくしてきませんか?


最後まで読んでくださり

ありがとうございました


◇参考文献

 現代人のためのヨーガ・スートラ

 グレゴール・メーレ著

 ガイアブックス発行


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