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  • おかもと まきこ

月ヨガだより №24


ことばは沈黙に

光は闇に

生は死の中にこそあるものなれ

飛翔せるタカの

虚空にこそ輝けるごとくに

         エアの創造

         

        〜ゲド戦記


<過去をふりかえる苦しさ>

について

ヨガの生徒さんから

相談を受けることが続いたので


今年最後のテーマは

<二極の対立>


両極に対立する価値観

相反する二つの極

引き合う力と反発する力


この世を支配する<二元性>という

巨大なパワーについて

みなさんと一緒に

思いを馳せてみたいと思います


光と闇

生と死

言葉と沈黙

陽と陰

善と悪

賞賛と軽蔑

愛着と嫌悪


ヨガの世界では

このような、二つに引きさかれる考え方を

<二極の対立><二元性>などと呼びます


磁石や電気に

<引き合う力/引力>と

<反発し合う力/斥力>が働くように

人間の心も

二つの相反する価値観でせめぎ合う法則に

支配されています


まずはこの法則に気づくことが

その苦しみから脱する第一歩


ヨガは

自分自身の心に気づき、制御し

この<二極の対立>を超える意識状態をめざしますが


それはとても困難な作業で

大変な精神力を必要とするので

あらゆるヨギー、ヨギーニたちの

一生をかけた目標

と言っても過言ではないかもしれません


ヨガセラピーで

呼吸法を駆使しながら

肉体への刺激と解放を繰り返し

脳の深部領域の自律神経系へアプローチして

<身体と心の状態に気づく力>を

身につけていくと


今まで気づかなかった

自分自身の思考や感情を観察しつつ

過去の自分のことも

思い出していく方がいらっしゃいます


どんな心でこの世界と向き合い

どんな態度で物事や人と関わってきたか


ヨガで研ぎ澄まされた鋭い感性で

真摯に過去に向き合ったとき

昔の自分に落ち込み


<耐えられない>


と苦しむ場合があります


人に迷惑をかけてきた自分

人を傷つけてきた自分

自分のことしか考えていなかった利己心

すべてを否定的にとらえていた心の眼

闇の中を歩いていた自分


人との関係性に変化が生じる方もいます

今まで親密にしてきた人に違和感を覚えたり

同じ価値観で生きてきた人に葛藤を感じたり


そんな苦しさを感じているあなたへ


その葛藤こそ

あなたが前へ進んでいる証拠

正しい方向性へ進んでいるあかしです


この世の欲望におぼれて

暗闇の中を歩いている人間に<苦しみ>は見えません

闇を進む人は

この世の<真実>を知りたいとも思いません


あなたの心にぼんやりとした光がさしたからこそ

闇の存在に気づき、苦しみながら

光へ向かって歩き出しているのです


陰の中から陽が生まれ

光は闇の中にこそ輝くもの


汚い泥水の中にこそ

美しいハスの花が咲く


汚水は人間社会

ハスは

苦しみから生まれた清らかな人間の心を

象徴しています


闇や陰の経験から

光や陽が生まれる


これが宇宙の真理です


自分の内にひそむ<闇>を

それほど恐れる必要はありません

嫌悪することもありません


光を知るために

闇は必要だったのです


わたしたちの心の無意識の領域に

広大な闇が存在すること

肯定的なものと同時に

否定的なものもたくさんあることを

ただあるがままに受け入れればいいのです

その存在に気づき、受容し

ただよわせておく


そして

自分の意識を

その否定的なものに過剰にフォーカスしなければ

その存在にエネルギーを与えなければ

その否定的な存在があなたを支配することはできません


あなたが支配するのです


あなたの内に存在する

あらゆる可能性

無限の潜在力を

あなた自身と統合・融合してゆく


それが二極を超えるということ


悪を捨て善だけをめざすのではなく

善悪を超える境地をめざすのが

ヨガや瞑想の目標


これは思考や知性だけでは到達できない境地です


有効な武器は

◇呼吸法によって自律神経を調整する<プラーナヤーマ>

◇肉体を使って自律神経を調整する<アーサナ>


「アーサナにおいて、相反して対となるものに攻撃を受けることがなくなる」


「アーサナが成し遂げられたならば、プラーナヤーマ(呼吸法)を実践する。プラーナヤーマとは、吸気と呼気を通して動揺を取り除くものである」

                 ヨーガ・スートラ 2章48、49節


ヨガは呼吸の科学、心の科学です


闇を手探りで歩きながら

ぼんやりとした光を求めて歩き出したあなたに

智慧と勇気と力強い技法を与えてくれます


特にナーディ・シュッディは

あなたを二元性という混乱や苦しみから救い

あなたの本質へ

自己の中心にある<安らかさ>に

引き戻してくれるでしょう


今年最後の瞑想は

ナーディ・シュッディで心の波を静めて

自分の<闇>をおそれずに

あらゆる闇や光を受け入れ

それを超えて

二元性を手放してみませんか


最後まで読んでくださり

ありがとうございました


温かいご縁とつながりに深く感謝しつつ

来年もどうぞよろしくお願いいたします

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