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  • おかもと まきこ

月ヨガだより №10


マハ―バーラタ

 夜叉の泉の神話より

ヤマ神と王子ユディシュティラの問答


真夏の夜

神話の旅をしてみませんか


ヤマ神(法の神ダルマ)が次々に問う

謎かけのような質問に対する

ユディシュティラの返答は

現代に生きる私たちに多くの示唆を与えてくれます


人間にとって、最も恐ろしい敵とは?

 怒りである

最悪の病は?

 貪欲である

慈悲とは何か?

助けを求めるものを助けることである


最も望ましい幸福のかたちとは?

 満足である

最高の偉業とは?

非暴力である

人間を測る尺度は?

 行いである

寛容とはどういうことか?

 最悪の敵の行為を耐え忍ぶことである

慈愛とは何か?

 ありとあらゆるものの幸福を願うことである


風よりも速く、草よりも多い<心の波>は


過去への執着

未来への不安

他者の心の内への囚われ

によってざわめいて


欲望、人間関係、プライド

によって荒れ狂います


<心>という魔物をどう制御するか

それが

インドの大叙事詩マハーバーラタの最大のテーマです


インド最古の経典群ヴェーダは

魂の平安を得られない人間の渇望(サンスクリット語でヴェーダナ)を癒してくれたので、ヴェーダと呼ばれるように

ヴェーダは世界に意味を、人生に目的を与えた

絶えず循環し、変化するこの世界(宇宙)が存在する意義とは

願望を成就することではなく

自分自身を深く内省すること

(インド神話物語 マハーバーラタ デーヴァダッタ・パトナーヤク著、原書房)


<心>という謎を

何千年もの年月をかけて

科学的に、合理的に理解しようと試みてきたインド


その発見はシンプルに言うと次の3つだと思います


心の波を自分自身と同一化することが苦悩の根源であること

心の波を完全に静めると、私たち本来の姿が顕れること

私たち本来の姿とは、静寂、自由、至福、慈愛に満ちた純粋意識であること


そして、心の安らぎを心から願うならば

誰もがその境地へ到達できるように

心の波の静める心身制御法を体系的にまとめたのが

「ヨーガ・スートラ」


その道があまりにも険しいが故に

意識の高みをめざす人間へ与えられた勇気づけの言葉が

「バガヴァッド・ギーター」


それは単なる知識ではなく

多くの人々の人生を通して

体験や歴史をくぐり抜けて昇華されてきた

珠玉の智慧です


その精神性の探究には

仏教やキリスト教など、他の宗教に共通する普遍性がみられます

まさに、「真理は一つ、至る道はあまた」ですね

(インテグラル・ヨーガ、スワミ・サッチダーナンダ著より)


ヨーガ・スートラの最大の特徴は

排他的、権威的でないこと

驚くほどに柔軟で、合理的、科学的なところが

非常に現代的ともいえます


世界中のさまざまな宗教を

「一つの根より発し、同じ目標をめざすもの」

とみなす立場であるエキュメニズム

その寛容の精神こそ、ヨガの本質なのです


情報ばかりが氾濫して

自分を見失いそうな状況だからこそ

心を感情の奴隷にしないように


自分自身の心と深く向き合い

気づきを深めて

<渇望>という偽りの思いに呑み込まれないように

<我欲>で孤独にならないように


心を安らかに保つことに心を尽くし

その安らぎを少しでも周りに広げていけるように

まずは自分の心の<在り方>に

意識を向けていけますように…


新月で誓いを立てた<夜明けの散歩>をしながら

闇と光が溶け合う東の空に祈りました


どうかすべての人の心に夜明けの安らぎを


<月ヨガだより №10>

バックナンバーはHPブログでご覧いただけます


◇画像の絵は画家・梅宮順子さんの作品を購入し使用しております


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