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執筆者の写真おかもと まきこ

<月ヨガだより> No.2

更新日:2021年5月3日

「明日死ぬかのように生きろ。永遠に生きるかのように学べ」。 

 尊敬しているインドの故ガンジー首相の名言です。

 毎朝の瞑想で思いを馳せる、大好きな言葉です。太陽が昇り、今日という一日を与えられたことに深く感謝し、「為すべきことは何か」を考え、自分の生命を通して世界に何を与え、貢献することができるだろうか、ということに瞑想します。

 ガンジーさんに親しみを覚えるのは、自分の心に巣食う<恐れ>を克服しようと、生涯努力した人だからです。

 私の人生は、弱さの連続の歴史でした。自分自身に瞑想し、今生のテーマは「弱さの克服」と「恐れる心を乗り超えること」だと気づいた私なので、ガンジーさんの言葉にはいつも元気づけられてきました。


 <恐れ>に関し、彼はたくさんの言葉を残しています。

 「精神性の最大の要素は、<恐れない心>である」「勇敢な人は、一人闘うことを誇りとする」「偉大な人は常に一人立つ」「恐怖が不信を生むのです。誰か一人でも恐れることをやめたら、我々は争うことをやめるでしょう」

 「たとえ一人になろうとも、全世界に立ち向かえ! 世界から血走った眼でにらまれようと、君は真っ向から世界を見すえるのだ。恐れてはならない。君の心に響く、小さな声を信じるのだ」

 そして、彼が私たちに呼びかける<恐怖心の克服>は、最後は<人間性への信頼>へと繋がっていきます。

 「人間性への信頼を失ってはならない。人間性とは大海のようなものである。ほんの少し汚れても、海全体が汚れることはない」


 <信じる心>を育てていくことが、<恐れる心>を手放していくことに繋がるんですね。 

 私は、外的要因によって心が翻弄されそうになるたびに、ガンジーさんの言葉を繰り返し思い出すことで、心の平安を取り戻そうと努力してきました。

 人間性への信頼、他者への信頼、宇宙の生命原理への信頼・・・ヨガではこの「信頼」という概念がとても大切で、「シュラッダー」と呼ばれます。

 この信頼の根底にあるのが、<本当の自分を信じる心>。そして、ヨガを始めるということは、<本当の自分>との繋がりを思い出す第一歩。今生でヨガに出会えたのは偶然ではなく、その方の無意識の<本当の自分>の導きがあったからこそ。

 私はクライアントさんに出会うとき、その方の背後に、クライアントさんの<本当の自分>の存在を感じます。クライアントさんは気づかなくても、その存在感、輝きは確かなものです。私たちは、心の深いところで繋がっている。そう信じることがヨガの信頼(シュラッダー)です。


 非暴力運動によるインド独立の父、と呼ばれるガンジーさんですが、この<非暴力>というのは、実は、ヨガの聖典<ヨーガ・スートラ>で<5つの禁戒>の一番目に掲げられる戒めです。この<非暴力>には、物理的な暴力だけでなく、言葉による暴力、心の内の思いによる暴力(攻撃性)も含まれており、達成することが非常に難しいと言われます。身口意(身体、言葉、心)すべてにわたる非暴力を徹底していくプロセスは、恐れを克服して信頼を育てていくことと重なります。

 私はこの3年間、<非暴力>について、自分の心と深く向き合ってきました。このテーマはあまりにも深いので、続きは次回に。

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