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執筆者の写真おかもと まきこ

感情の受容

今日は陰暦の大みそか

明日は元旦

そして新月です


わたしが住む糸満は

いまなお陰暦の習慣が色濃くのこる

漁師町


街は旧正月の雰囲気一色です

明日は漁港に大漁旗がかかげられ

一年の豊漁を祈ります


明日のムーンサイクルヨガのテーマは

<受容>


自分の身体や心にひそむ

ネガティブなものから逃げず

気づき、受容して

しずかに抱えることができるように


呼吸法によって心の波をしずめて

自分の感情や感覚などを

あるがままに感じてみます


…………………………


小さい頃

転んでひざをすりむいたときとか

痛みと驚きで泣き出してしまったとき

お母さんやお父さん、近くにいた大人から

「泣かない!痛くない!」

と言われたこと

ありませんか?


必死で涙をひっこめると

「えらい!つよい!」とほめられたり


友だちとけんかして怒ったとき

「お友だちとは仲良くしなきゃだめでしょ」

「はいはい、仲直り!」

あっけなく場を閉じられてしまったときの

行き場のない気持ち…


だれでも少しは心当たりあるかもしれませんね


どうも日本人は

ネガティブな感情を受け入れるのが苦手なようです


幼少期に親世代から

ネガティブな感情を承認してもらったり

受容された経験が少ないと

大人になってから

感情コントロールに困難を生じる傾向を持ち

自分の子育てにおいても

わが子のネガティブな感情を受容することにつまずき

子どもの感情制御の育ちに困難を生じることがある


臨床心理士の大河原美以さんの臨床研究で

ネガティブ感情の受容と感情コントロールの相関性が

指摘されています


痛い、くやしい、腹が立つ、悲しい…


そんな感情がわきあがって混乱している子どもに

「そうなんだね、痛いんだね、悲しいんだね」

と大人が背中をさすってあげながら感情を承認し


できれば言葉にして(ラベリング)

共感してあげることで

子どもは不快感情の存在をみとめ

コントロールする力を身につけていくそうです


周囲の大人がネガティブ感情を受容して抱えてあげることで

子どもは学んでいくんですね


感情を抑圧し続けて育ってしまった場合

大人になってから

自分の感情に気づきにくく

不快感情を消化できないまま

身体症状化(痛みや凝りなど)してしまう場合があります


でも大丈夫

大人になってからでも遅くありません


泣いてもいいんだ

怒ってもいいんだ


ネガティブ感情を怖がらなくてもいいことに気づくと

自分の中の感情を承認し

感情とほどよい距離をおいたり

心にただよわせておくことができるようになります


存在を認めてもらった感情のエネルギーは

次第に勢いを失って

いつのまにかいなくなったり

自然に手放していくことができます


大河原さんは

「感情をおさえられない子どもに出会ったら

どうすればいいか」

教えてくれました


〇〇〇なんだね、と

今この瞬間の感情をやさしく受容してあげる


そして

深呼吸しようね、と

一緒にふーっとゆっくり吐く呼吸をしてみる


「これだけでも

あなたはその子の力になれます」


大河原さんの講演を聴いたのは

医療機関に勤務しながらヨガセラピーを学び始めた頃

洞察に満ちた質の高い研究と愛にあふれる臨床報告に

とても感銘を受けました


…………………………


精神科医で小説家でもある帚木蓬生さんは

「性急に証明や理由を求めずに

不確実さや不思議さ

懐疑の中にいることができる能力」

「答えの出ない事態に耐える力」

として

詩人キーツが著述した言葉

ネガティブ・ケイパビリティ(負の能力、陰性能力)を紹介し


「これこそが対象の本質に深く迫る方法で

相手を本当に思いやる共感に至る手立て」

と述べています


帚木さんは

表層のみとらえて深層にある問題を取り逃がしてしまう

ポジティブ・ケイパビリティへの警鐘を鳴らしながら


問題を安易に締めくくらない

新しい可能性に対して心を開き続ける姿勢

相手を思いやる共感を

精神科医にとって大切な資質と位置づけています


ヨガセラピストとしてどうあるべきか(Being)

私はこの2人の治療者から

大切なものを学ばせていただきました


…………………………


ヨガセラピーは

肉体の感覚を客観視しながら

心をあるがままに観察して

あなたのなかのネガティブな感情にも気づき

感情というエネルギーとのつきあい方を

学んでいきます


陰も陽も

すべてがあなたの内にある


あなたの心の果てしない広大さに

一緒に気がついていきましょう


最後まで読んでくださり

ありがとうございました


◇参考文献

「ネガティブ・ケイパビリティ 〜答えの出ない事態に耐える力」

 帚木蓬生著、朝日新聞出版


◇2月のムーンサイクルヨガ 満席(キャンセル待ち)

 新月ヨガ 2月1日(火)19時〜20時30分

 満月ヨガ 2月17日(木)19時〜20時30分

◇3月のムーンサイクルヨガ 参加者募集中

 新月ヨガ 会場の都合でお休みになります

 満月ヨガ 3月18日(金)19時〜20時30分

◇お問い合わせ・ご予約

 月ヨガテラスの公式ホームページより

 公式LINEへ登録のうえ、LINEにてご連絡ください


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