この頃、社会の動きがなにかと騒がしいですね。
つい外にばかり意識が向きがちですが
心の中の小さな声、聴こえていますか。
身体の感覚の日々の変化、
どんな風に感じますか。
私たちの日常は忙しくなりすぎて
身体や心の声が
聴こえにくくなっているようです。
失体感
失感情
過剰適応
という言葉があります。
この3つは<心身症になりやすい性格特徴>ともいわれますが
超スピード化・効率化・競争化が激しいストレス社会の現代
多かれ少なかれ、誰もがこの傾向を持っています。
外の世界にうまく適応しようとするあまり
周囲に対して過剰に気を遣い
自分を置き去りにして頑張り過ぎてしまう状態
心と身体はとても繊細に、密接につながっていますから
こうした無理をし過ぎた緊張状態が続くと
身体的・精神的疲労が重なり
頭痛、肩こり、腰痛、めまい、胃腸症状など
さまざまな不調が生じてきます。
<自分を置き去り>って?
かつて私も過剰適応な仕事人間だったので
分かりやすく解説する自信あります。
頭の中が仕事のことや人間関係のことなどでいっぱいで
ぐるぐる思考がとまらない状態
あれもしなきゃ、これも…
あんなこと言っちゃってマズったかな?
どう思われただろう?
こんなことしなきゃよかった、次はうまくやらなきゃ…
心の中は
過去・未来・他者の心の内
そんなことでいっぱいいっぱい
常に、<心ここにあらず><上の空>
心がいつもさまよっているので
自分のことは後回し
自分自身の身体の感覚がどんな状態かについて
ほとんど気づきませんでした。
不調というものは急に始まるのではなく
徐々に蓄積されていくもの
でも身体の感覚への気づきが弱いので
ある朝、首が痛くて起きれない
ぎっくり腰になった
めまいで倒れた
便秘と下痢の繰り返し
そんなひどい症状が出て初めて気づく
私、どうしちゃったの!?
そして失感情
あの頃は
肉体だけでなく
自分の感情にも気づきにくくなっていました。
なんとなくモヤモヤ、イライラするけれど
どんな感情なのか分からない
怒り、悲しみ、不安、焦り、寂しさ…
感情のありようについて言葉で表現できると
その感情が生じた背景に目を向けたり
少し冷静になって振り返れたりしますが
感情に鈍感なので
その深堀りが進まない
自分が抱えている<葛藤>を客観視できないのです。
失感情がひどくなると
モヤモヤ、イライラしていることにすら
気づかない場合もあります
不快なものを抱えているけれど気づけない
そんな状態が続くと
行き場を失った感情が<身体症状化>する場合があります。
頭が痛くなったり、お腹が痛くなったり
めまいがしたり、息苦しさを覚えたり
感情はさまざまな症状で
その存在を訴えてきます
気がついてもらえるまで…
ここにいるよ、気がついて
そういう視点からみると
症状や苦しさは
不調和な状態にいる主(あるじ)を
立ち止まらせて調和へ戻そうとする
無意識下の自己治癒力なのかもしれません。
本当に、心と身体って、
深い深いところでつながっているんですね。
ヨガセラピーでは
まず<失体感>を脱するために
呼吸法と肉体への緊張と弛緩によって
身体感覚への気づきを深めていきます。
自分の身体の緊張に気づき
さまざまな感覚を感じられるようになると
こんどは<失感情>
固く閉じていた心の扉をそっと開いて
自分自身の感情や思考に気づけるように
まるで空を眺めるように
お天気を眺めるように
流れる雲を眺めるように
スクリーンを眺めるように
他人事のように意識を分離して
温かい穏やかな関心を寄せながら
心の中をありのままに眺め
価値判断せず、解釈せず
ただ味わうという体験(心観瞑想)を
静かに繰り返していきます。
呼吸が深まり
心の乱れを静めて
心身が安らかになって初めて
心の内の小さな声が
聴こえてくるようです。
夏の夜
1日のうちのほんの少しだけ
静かに一人になって目を閉じて
無心になって
自分という宇宙と向き合ってみませんか。
画像の絵のように
ひっそりとした
心の海の底にたたずむ深い森
ほのかな青白い光を放って
そこには
不思議な魅力と活力に満ちた無限の世界が
広がっています。
◇画像の絵は、大ファンの画家・梅宮順子さんの作品を購入して使わせていただいています。いつも素敵な作品をありがとうございます。
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